眠れなくなっちゃう人は

緊急の手段だった昔と違い、現在の電報は「言葉のギフト」だそうです。とっておきの冠婚葬祭の場面で相手のためにひと手間かけて気持ちを伝えることが価値のある事ととして残ったのかもしれません。
シャイな日本人の中には、その「ひと手間」が苦手な人もいるだろうと想像してみました。あらためて台紙に書かれ、あとあと形に残ってしまう電報の言葉はそれなりにプレッシャー。受け取った相手は「その人らしさや気持ちが伝わればなんでも」と思ってくれるでしょう。しかし「自分らしさ」を言葉なんかで表現できるかよ、眠れなくなっちゃうよ、そういうのカンベンという人種も多いはず。さらに冠婚葬祭に届ける電報は相手だけでなくその親族や他人に読まれる機会も多いから「自分らしさ」だけでなくある程度の「常識性」も配慮が必要でしょう。「誰に読まれてもそこそこ大丈夫」+「自分らしさ」というのはなかなかハードルが高い。これじゃあちょっとしたミニ自己演出。

ひと手間かけるしきたりに+1!

関連キーワード

関連ページ

眠れなくなっちゃう人は
緊急の手段だった昔と違い、現在の電報は「言葉のギフト」だそうです。とっておきの冠婚葬祭の場面で相手のためにひと手間かけて気持ちを伝えることが価値のある事ととして残ったのかもしれません。シャイな日本人の中には、その「ひと手間」が苦手な人もいるだろうと想像してみました。あらためて台紙に書かれ、あとあと形に残ってしまう電報の言葉はそれなりにプレッシャー。受け取った相手は「その人らしさや気持ちが伝わればな
大量にこなす相手には奇をてらわず
たとえば私のサラリーマンの父は気の利いたことは苦手です。口数が少なく、不平不満を言わず黙々と日課をこなし他人には寛容。その父は会社での立場が上がっていくにつれ冠婚葬祭が増えたけど、年賀状や挨拶状は、出来上がったテンプレートを瞬時にひょいひょいと選んでおしまい。まったく悩まず「こんなもんでいいんだよ」とサクサクこなしていきます。それを見た母は「つまらない」と評価していましたが、ものすごい量の冠婚葬祭
言葉に気をつけたい時の強い味方
電報も文例集は強い味方です。特に弔電や結婚式の祝電などは気をつけるべき言葉があるので私も参考にします。例えば弔電で故人がキリスト教徒だった場合仏教用語は使わないそうで、「お悔やみ」「冥福」なども仏教用語です。知らなかった自分の過去を振り返ると汗が出てきます。かしこまった文面が必要な場面では、私は例文を使いながらひとつオリジナルの文章を混ぜ込みます。礼はつくし、かつ親しみがわくようにというつもりです
「らしさ」は文面以外からもたくさん
文例集をそのまま使うことは「没個性」のように見えますが、苦手な人は無理しなくてもいいのでは。私からすれば、「その人らしさ」は電報を開ける前から見えてきます。その人が選んだ台紙、それはその人がどういう人間で、どんな環境でどんな事が好きだからこの台紙なんだよね、と私なら受け取ります。あぁ今ごろ送ってくるのがあの人らしいよね、などとそのタイミングでも感じます。その「台紙」+「文章」の組み合わせ方にもその